2025年、世界の主役は「•᷄ࡇ•᷅」──文化と世代で読み解く

更新日: 2025-10-10

執筆:KawaiiEmoji 編集部編集チーム

10月10日の「顔文字コミュニケーションの日」制定にあわせて公開された Simeji の16か国調査を、 日本のネット文化に馴染んだ編集者の視点で噛み砕いてまとめました。要点は明快で、世界の1位は 「•᷄ࡇ•᷅」、日本の1位は「^_^」。どちらも文脈によって意味が揺れ動り、使い手のニュアンスを柔らかく伝える “両義性”が広く支持されています。

2025年 世界で最も使われた顔文字ランキング

Simeji 調べ:16か国の最常用顔文字 TOP10(2025年版)

1. 世界の主役「•᷄ࡇ•᷅」──困惑が“クッション”になる

困惑、気まずさ、照れ、自虐といった言語化しづらい感情をやんわり包むリアクションとして浸透。 16か国のうち大半でトップに選ばれ、海外の SNS やゲーム文化ではすでに定番化しています。

  • スペイン語圏:大げさな叫びや拗ねの強調に添える相棒
  • フランス・イタリア:皮肉や照れを角立てずに伝える“緩衝材”
  • ロシア:虚無感や重い気分を補強する“重し”として機能
  • インドネシア・タイ:日常の愚痴や弱音をコミカルに見せるトーン調整

2. 日本の1位「^_^」──“無難さ×可変性”が強い

単体では笑顔や挨拶の定番ですが、若い世代ほど軽い煽りや皮肉のオチにも転用されます。 使いどころによって意味が変わる幅の広さが、長く支持される理由です。

  • 15〜28歳:失敗や“やらかし”のオチ、気まずさの圧として多用(例:提出間に合わない^_^)
  • 29〜45歳:お礼・挨拶に加え、軽い相槌やツッコミの定番(例:へぇ、そうなんだ^_^)
  • 46〜60歳:丁寧で温かみのある挨拶や依頼に安定運用(例:よろしくお願いします^_^)

3. 国別の個性がくっきり

  • アメリカ・イギリス:泣き顔や怪訝顔など感情をストレートに描く表現が人気
  • インド:装飾性の高い“デコ文字”がプロフィール装飾として支持
  • インドネシア:照れウィンク系など“ネタ顔文字”が推し活・日常の小ネタで定着
  • ベトナム:文字入りの応援系が“仲間を励ます文化”として機能
  • ロシア・アルゼンチン:“愛”をテーマにしたハートや花付きが複数ランクイン

4. 日本に根付く“原点”顔文字

「(;;)」「m(_ _)m」など、控えめで意味がすぐ伝わるシンプルな形が強い。 海外の“装飾的・ユーモラス”な傾向とは対照的に、誰にでも伝わる無難さが好まれています。

  • 「(;;)」は世代を超えて“悲しみ”の象徴。若い層では感謝・喜び・感動にも応用。
  • 「m(_ _)m」は感謝・謝罪の定番。若い層は軽いノリにも、上の世代は丁寧な依頼・挨拶に。
日本の原点顔文字「(;;)」「m(_ _)m」

日本で根強い人気の“原点”顔文字(2025年 Simeji 調べ)

5. なぜ顔文字を使う?──年代で重視点が違う

10〜20代は「かわいい」「個性が出せる」「ネタにできる」を重視。30代以降は「親しみやすさ」や 「細かな感情の補足」を評価。文章の温度を調整し、場のトーンを整える道具として再評価されています。

  • 文字だけだと温度が伝わりづらい → 顔文字で柔らかく
  • Instagram のストーリーは顔文字で雰囲気が整う
  • 絵文字の固定観念を避けたい時に“顔文字ならでは”の自由度が効く
日本の世代別 顔文字使い方

日本国内調査:世代別「^_^」の主な使い方(2025年 Simeji 調べ)

6. “愛”の顔文字は世界的に高支持

ハートやキス、花を添えた“愛”の表現が多くの国で上位に。タイやアルゼンチンはハート系が強く、 ロシアは投げキッス、アルゼンチンはバラ持ちの顔文字が象徴的です。

7. ミーム顔文字「Lenny Face(( ͡° ͜ʖ ͡°))」が定番化

2010年代に海外掲示板で誕生し、挑発・皮肉・ネタの文脈で定着。オンラインゲームや SNS のコメント欄で広く使われ、 複数の国で TOP5 の常連です。

8. これから──文化を映す記号としての顔文字

顔文字は単なる記号ではなく、文化や価値観の違いを映すコミュニケーション手段。 Simeji では数十万種類以上の顔文字に加え、感情分類やオリジナル作成、人気ランキング機能を提供し、 “より豊かなテキストコミュニケーション”を後押ししています。アプリ内検索で「こんわく」と入力すると 「•᷄ࡇ•᷅」が候補に出て、すぐ使えます。

9. 使い方のヒント──言いづらい気持ちをやわらかく

日本ではまだ馴染みが薄い「•᷄ࡇ•᷅」ですが、弱音や愚痴、気まずい話題の“角”を落としてくれる便利なクッション。 ちょっとした自虐や照れのニュアンスを丸めたい時に、ぜひ試してみてください。